会社を設立するには、商業登記が必要です。
一度登記した内容を変更する際は、再び登記費用が発生するため、適当に見切り発車することのないよう、決めるべきことは、きっちり決めておきましょう。
1,会社名
株式会社にするのか、合同会社にするのかが決まったら、会社名を決めましょう。
○○株式会社(合同会社)にするのか、株式会社(合同会社)○○にするのかも決めます。
使える文字は、日本語、英数字、「&」や「・」などのいくつかの記号となります。
会社名は念のため、インターネット検索しておきましょう。
同じ名前の法人があっても、登記上は問題ないのですが、損害賠償などの民事的なトラブルがおきることもありますので、避けたほうが賢明です。
また、全く同じ住所に同じ名前の法人を複数登記することはできません。
2,本店所在地
自宅でも登記可能ですが、賃貸の場合は、法人登記可能かどうか、大家さんに確認する必要があります。
3,公告方法(合同会社は不要)
株式会社には決算後の公告が義務付けられています。
- 官報(政府が発行している新聞のようなもの)
- 日刊新聞紙
- 自社のホームページ
4,設立日
登記を申請した日が設立日になります。
ただし、法務局が休みである土日祝日は、設立日にはできません。
事業年度も決めておきましょう。
一般的には、例えば、12月中が設立日の場合は、「12/1〜11/30」を事業年度とします。
5,目的
定款と登記簿に記載される事業目的を決めます。
メインの事業と今後おこなう可能性がある事業を書き出していきましょう。
例えば、
- 飲食店の経営
- 不動産の売買、賃貸およびその仲介
- 建築工事の請負
- インターネットによる通信販売業
- 学習塾の経営
- レコーディングスタジオの運営
書き方に不安がある場合は、例えば、「事業 目的 登記簿」などとネットで検索し、その事業に合うような書き方の参考事例を探してみてください。
これまでなかったような新しい事業で、どこにも前例が見当たらないような場合は、法務局で事前に確認しておきましょう。
記載があると、新規で銀行口座を開設できないような事業目的もあるので、何でもかんでもとりあえず列挙しておくというのは、やめましょう。
6,資本金の額、発行可能株式総数、発行済株式の総数、種類
合同会社の場合は、「資本金の額」のみを決めます。
株式会社の場合も、まずは「資本金の額」を決めます。
「資本金の額」は、1,000万円未満に設定しましょう。
1,000万円以上になると、設立1年目から消費税の納税義務が生じてきます。
「資本期の額」は、株式会社・合同会社ともに自由に金額設定できますが、あまりに少額だと信用問題にもつながるため、「設立費用」+「売上が上がるまでの固定費の金額」+「α」を目安に決めます。
以下は、株式会社の場合のお話です。
「発行済株式の総数」は、まずは1株あたりの金額を決め、「資本金の額」÷「1株あたりの金額」で求めます。
資本金の額が300万円で、1株あたりの金額が1万円とすると、「発行済株式の総数」は『300株』となります。
「発行可能株式総数」は、将来どのくらい増資をするかを想定して決めます。
株式の「種類」も決められますが、通常は「普通株式」とします。
7,株式の譲渡制限に関する規定(合同会社は不要)
株式の譲渡制限とは、株式を売買する際は株主総会の承認を得なければならない、とする制限のことです。
小規模な会社では、譲渡制限をつけている会社がほとんどです。
創業メンバー同士、ずっとうまくやっていけるとは限りません。
勝手に株を売買されることがないよう、譲渡制限をつけましょう。
8,役員に関する事項
譲渡制限株式会社、合同会社は、最低1名の取締役(合同会社の場合は、社員と呼びます)が必要です。
ひとり社長の会社であれば、あなたが取締役(または、社員)となります。
その際は、取締役=代表取締役社長(または、社員=代表社員)となります。
9,定款、印鑑をつくる
定款(「ていかん」と読みます)とは、会社の根本となるルールが書かれたもので、日本という国における日本国憲法のようなものです。
登記申請の前に、定款を作成し、公証人役場において「定款認証」を受けなければなりません。
また、登記をする際には、会社の実印が必要です。
「実印」、「銀行印」、「角印」の3本セットがネットなどでもよく売られています。
「実印」は登記の際や、重要な契約書への押印に使う大事なものです。
「銀行印」は、銀行口座開設の際に使うものです。
「実印」を「銀行印」として使っても問題はないのですが、安全性の面から考えて、分けておいたほうが無難でしょう。
「角印」は、請求書などに押す会社名が書かれた四角い印鑑で、押すとそれっぽい書類になります。
なくても問題ないですが、セット売りされていることが多いです。
最後に
ここまで準備ができたら、設立登記申請書を作成し、登記申請となります。
ここまででもかなりの労力がかかるので、司法書士などに依頼し、相談しながら進める方法もあります。
また、「定款の作成・認証」から「会社設立」まで行うこともできる、会社設立freeeというWebサービスもあります。
自分でやる!という方は、このようなWebサービスの利用が、時間短縮にもなり、有効です。
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