税務調査とは、納税の漏れや脱税がないかなど、提出された申告書が正しいかどうかを、税務署の職員が調査するものです。
通常、税務調査は会社や社長の自宅などでおこなわれることになります。
今回は、その税務調査がどのようにして始まるのか、その流れをみていきたいと思います。
1.電話が鳴る
顧問税理士がいる事業者であれば、その税理士に税務署から税務調査をしたい旨の連絡があります。
顧問税理士がいない事業者であれば、直接納税者に連絡があります。
税務職員からは希望の日時を伝えられます。
たいてい2〜3日間の調査日程になります。
こちら側で日程調整をし、後日税務署へは連絡を入れます。
突然税務署がやって来ることもある
突然税務署がピンポーンとやって来ることもあります。
何しに来るのか?もちろん、税務調査にやってきます。
巨額の脱税など事件性のあるものは強制ですが、通常の税務調査であれば、税務職員が強制できるものではありません。
お店の準備で忙しかったり、営業中だったり等、都合が悪い場合は、その日は引き取ってもらい、顧問税理士に連絡してください。
飲食店などの現金商売をしている事業者に対しては、突然税務調査にやって来ることが多いです。
そのような場合は、税務署が何か事前につかんでいることもあります。
やはり、一度お引き取りしてもらうのが得策でしょう。
2.事前準備をする
税務調査の日程が決まったら、事前準備です。
税理士と協力し、準備をすすめましょう。
用意する書類については、税務署から指示がありますが、だいたい次のようなものになります。
- 総勘定元帳
- 領収書
- 請求書
- 納品書
- 契約書
- 源泉徴収簿 など
いずれも、3年分用意するよう言われることが多いです。
3.いざ本番
税務職員は、午前10時にやって来ます。
初日の午前中2時間(10時〜12時)は、雑談形式で会社の概要や業務内容、受注・発注の流れについて聞かれます。
12時〜13時の1時間は、お昼休みです。税務職員は食事休憩のため、一旦退席します。
午後は、13時〜16時頃まで。税務職員は17時前には帰ります。
2日目と3日目も同じようなタイムスケジュールですが、会社の概要などの聞き取りは初日だけで、2日目、3日目は税務職員はひたすら書類とにらめっこ。無言の時間が続きます。
税理士の立ち会いがあれば、税理士はその場に張り付いていますが、社長は3日間ずっと同席する必要はありません。
スムーズに調査が進めば、3日目の16時を待つことなく、調査が終了することもあります。
4.調査後の対応
何も問題点がなければ、それで終了。調査後に何かしなければいけないこともありません。
追加で納税が出てくるようなことについて指摘を受けたのであれば、修正申告し、不足分の税額を納付して終了となります。
不足分の税額には、延滞税などの罰金がつくことがあります。
その罰金については、後日税務署より納付書が送られてきます。
最後に
通常の税務調査であれば、それほど恐れる必要はありません。
とはいえ、特に初めての税務調査などはとても不安に感じてしまうものです。
税理士と顧問契約をしていない法人や個人、フリーランスの方は、スポットで税理士に事前相談してみたり、税務調査の立ち会いを依頼するのも一つの手です。