保有している固定資産を売却したり、廃棄処分にしたりすることで節税になります。
ただし、売却の場合は、ただやみくもに固定資産を売れば節税になるわけではありません。
ではどのような条件が揃えば節税となるのか、みていきましょう。
固定資産の廃棄処分による節税
固定資産を廃棄処分すれば、その廃棄する時点での帳簿価額の分だけ、損金として計上することができます。
この損金は、「固定資産除却損」という勘定科目で計上します。
不要な固定資産は、「固定資産除却損」として損金に計上しましょう。
なお、「固定資産」には、「ソフトウェア」も該当するので、「ソフトウェア」として計上されている固定資産も要チェックです。
まずは固定資産台帳を確認してみよう
まずは、御社の固定資産台帳を確認してみましょう。
もしそこに、既に使われていない固定資産や廃棄処分済みの固定資産が計上されていたら、「固定資産除却損」として損金計上するこことができます。
また、「固定資産除却損」として損金計上することにより、償却資産税の節税になる可能性もあります。
固定資産の売却による節税
含み損のある固定資産を売却することにより、損金を計上することができます。
「含み損のある固定資産」とは、売却価格が帳簿価額よりも低くなっている固定資産のことをいいます。
「売却価格<帳簿価額」ですので、その固定資産を売却することにより、売却損(損金)を計上することができます。
- 「売却価格」−「帳簿価額」=「△売却損」
既に事業には使用していない「含み損のある固定資産」がないか、固定資産台帳をチェックしてみましょう。
証拠書類を残しておこう
税務調査の際、本当に廃棄したのか、または売却したのかを、疑われてしまうことが多々あります。
特に廃棄の場合は、「本当は売却したのではないか?」「売却代金を現金で受け取って隠しているのではないか?」など、疑わしい取引と思われがちです。
あらぬ疑いをかけられないよう、廃棄・売却した客観的な証拠を残しておくことは非常に大事です。
廃棄・売却した「事実」と「日付」(売却した場合は「金額」も)を、客観的に証明できればOKです。
売却した場合は、その売却した相手とした一連の取引の記録は捨てずに保存しておきましょう。そして、できれば現金ではなく、銀行振込等で売却代金の受け渡しをおこなってください。
廃棄した場合は、産業廃棄物処理業者などに廃棄証明書などの発行をお願いしましょう。
ソフトウェアの場合は客観的な証明書の発行は難しいので、アンインストールした時点で「稟議書」を作っておきましょう。
社内に稟議書のフォーマットがあるのであればそれを使い、ないのであればアンインストールした「日付」とアンインストールした「理由」(ex.「新しいソフトウェアを導入したため」等)を記載したメモ書きを残しておけば充分です。
カテゴリー