1年も半分を過ぎようとしている頃、それは我々フリーランス・個人事業主が節税のことを考え始める時期でもあります。
余裕を持って準備を始めていきましょう。
それでは、フリーランス・個人事業主の節税について、考えていきたいと思います。
青色申告
何はともあれ、青色申告。
個人で事業を始めたら、青色申告承認申請書を提出しましょう。
青色申告承認申請書を提出すれば、以下のような優遇措置が受けられます。
- 65万円の控除が受けられる
- 配偶者に支払った給料を経費にできる
- 損失を繰り越せる
- 貸倒引当金を計上できる
- 30万円未満の備品であれば、全額経費にできる
経費はもれなく計上
事業に関する経費はもれなく計上しましょう。
事業のために借り入れをしているのであれば、その利息も経費となります。
経費になる税金もあるので忘れずに。
家賃などはあん分して計上
家賃、携帯電話代、インターネット代、水道光熱費、車両関連費(ガソリン代、車検代、減価償却費 etc.)などは、事業用とプライベート用であん分し、事業用の部分のみ計上します。
あん分する比率については、家賃であれば、事務所として使用している部分の面積比、水道光熱費であれば、1週間あたりの業務時間の比率など、合理的な比率を使って計算します。
どんな比率を使って事業用の部分を計算したのか、きちんと説明できるようにしておきましょう。
倒産防止共済
経費を余すところなく計上し、65万円控除をしてもなお、利益が出ているのであれば、倒産防止共済への加入を検討しましょう。
国(中小機構)の制度で、取引先の倒産による連鎖倒産を防止するために設けられた共済制度ですが、掛金が全額経費になるため、節税対策としても有効です。
月額5,000円から20万円まで、5,000円刻みで掛金を自由に設定でき、解約時の時点で40ヶ月以上支払っていれば、100%掛金が返ってきます。
また、1年分の前納もできますので、最大で480万円の経費を作ることができます。
ただし、当たり前ですが、その分の現金は出ていってしまいます。
所得控除
事業の経費ではありませんが、所得税を計算する上で、控除することができる費用があります。
「所得控除」といいますが、代表的なものは以下のとおりです。
小規模企業共済
倒産防止共済と同じ、国(中小機構)の制度です。
個人事業主の退職金積立制度で、支払った掛金の全額が所得控除の対象となります。
退職金積立制度という目的もあり、20年以上納付し続けないと元本割れをしてしまいます。
医療費
その年に支払った医療費が、10万円(または、総所得金額等の5%)を超えた場合は、その超えた金額が所得控除の対象となります。
その年に支払った医療費が25万円とした場合、「25万円ー10万円=15万円」が、所得控除の金額となります。
ご自身の分の医療費だけでなく、ご家族の分も対象となります。
電子申告以外の場合は、医療費の領収書の提出が必要です。
病院や薬局のレシートや領収書は、捨てずに取っておきましょう。
生命保険料
生命保険に加入している場合、毎年10月頃に控除証明書が郵送で届くと思います。
その控除証明書に記載されている金額が、所得控除の計算の基礎と必要となります。
控除証明書は捨てずに保管しておきましょう。
また、医療費と同様、電子申告以外の場合は、控除証明書の提出が必要です。
社会保険料
国民健康保険や国民年金などは、その年に支払った保険料の全額が、所得控除の対象となります。
国民年金については、生命保険と同様、控除証明書が郵送されてきます。
この控除証明書も、電子申告以外の場合は、提出が必要です。
国民健康保険については、控除証明書などはありません。
その年に支払った金額の合計額を、自分で集計する必要があります。
支払った金額が分からない場合は、市役所や区役所に問い合わせれば教えてくれます。
寄付金
代表的なものとしては、ふるさと納税があります。