所得税法においては、所得を次の10種類に区分しています。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得(一般、農業)
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
このうち、日々経理をし、決算書をつくる必要があるものは、「不動産所得」、「事業所得」となります。
また、「事業所得」は、『一般の所得』と『農業所得』に分けられます。
例えば、あなたが飲食店と農業を営んでいたとします。
その場合、「飲食店の決算書」と「農業の決算書」の2つを作成し、それぞれの所得(利益)を計算しなければなりません。
さらに、アパート経営もされていたとすれば、「不動産所得用の決算書」も作成する必要があります。
ただし、それぞれの所得から生じた利益・損失については、最終的に合算することになります。
所得とは?
所得とは、収入(売上)から必要経費を差し引いた金額となります。
所得税の税額は、『所得の金額×税率』により求められます。
それぞれの「所得」の解説
それでは、私たちの生活においてなじみがあるであろう所得について、いくつかピックアップして解説していきたいと思います。
利子所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、一時所得、雑所得の7つについてみていきます。
1,利子所得
預貯金の利子などのことです。
この利子の金額に15.315%の所得税が課されます。
また、利子の金額には所得税のほかに、地方税5%が課されますので、合計20.315%の税金を支払うことになります。
預貯金の利子は、これらの税金を天引きされて預金口座に入ってきますので、確定申告は不要です。
2,不動産所得
土地や建物などの不動産の貸付け等から発生する所得のことです。
「不動産の貸付け等の収入金額」から「必要経費」を引いた金額が、不動産所得の金額となります。
確定申告が必要です。
3,事業所得
農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業などの事業から生ずる所得のことです。
不動産所得と同様、「総収入金額」から「必要経費」を引いた金額が、事業所得の金額となります。
確定申告が必要です。
4,給与所得
勤務先から支払われる給料・賞与などの所得のことです。
税金や社会保険が天引きされる前の「年収の金額(交通費は除く)」から「給与所得控除の金額」を引いた金額が、給与所得の金額となります。
「給与所得控除の金額」は、給与の年収額によって、変わってきます。
5,退職所得
勤務先から支払われる退職金などの所得のことです。
退職所得の金額は、(「収入金額」-「退職所得控除額」)×1/2、となります。
「退職所得控除額」は、勤続年数により変わってきます。
勤続年数が20年以下の場合・・・40万円×勤続年数
勤続年数が20年超の場合・・・800万円+70万円×(勤続年数−20年)
控除額が大きいため、退職所得に対して所得税が課されることは、少ないと思われます。
6,一時所得
代表的なものとしては、
- 生命保険の満期返戻金や解約返戻金
- 懸賞などの賞金
- 「総収入金額」から、「収入を得るために支出した金額」と「特別控除額(50万円)」を差し引いた金額が、一時所得の金額となります。
7,雑所得
他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得のことです。
代表的なものとしては、
- 公的年金による収入
- サラリーマンの副業により収入
副業に関して言えば、「収入−経費」が雑所得の金額となります。
ちなみに、雑所得の赤字は、損益通算も損失の繰り越しもできませんので、給与所得を雑所得の赤字で打ち消して節税!、なんてことはできません。
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