雑所得は雑収入にあらず。その違いとは?

確定申告(個人の所得税)で紛らわしいのが、雑所得雑収入

さて、その違いとは?

 

※この記事は、投稿日時点での法律・状況等に基づき執筆しています。

結論:雑所得は雑収入ではありません!

読み方は、それぞれ

  • 雑所得(ざつしょとく、ざっしょとく)
  • 雑収入(ざつしゅうにゅう、ざっしゅうにゅう)

雑所得と雑収入、似ているので「同じかな?」と思いがちですが、違います。

確定申告(所得税の計算)においては、まったく別のものです。

 

雑所得とは?雑収入とは?

雑所得と雑収入、イメージとしてはこんな感じです。

Zatsushotoku zatsushunyu

雑所得は所得区分の1つです。

一方、雑収入は所得区分のなかの事業所得の勘定科目の1つ。

ちなみに勘定科目とは、事業としておこなった取引の種類や分類のことをいいます。

雑所得とは

あらためて「雑所得」のついて。

雑所得とは、10個ある所得税の所得区分の1つ。

そして、その所得区分は、次の10個となります。

  1. 給与所得
  2. 不動産所得
  3. 事業所得
  4. 配当所得
  5. 退職所得
  6. 利子所得
  7. 譲渡所得
  8. 山林所得
  9. 一時所得
  10. 雑所得

所得税はざっくりいうと「所得(利益)× 税率」で計算します。

この税率をかける前の所得は、各種類(上記の10種類)ごとに計算し、最後にそれぞれを合算。その合計額に税率をかけて、納める税金の額が決まります。

所得の合計額 × 税率 = 所得税の額

 

雑収入とは

雑収入とは、売上高や仕入高、水道光熱費などと同様、勘定科目の1つです。

ざっくりいうと、事業所得の一部ということになるでしょうか。

 

雑所得の計算方法。雑所得にマイナスという概念はない

雑所得は、ざっくり次の2つに分けられます。

  1. 年金
  2. 副業などの営利目的の収入

このうち、2の副業などの収入について説明すると、

収入 − 経費

で雑所得の金額を求めることができます。

仮に、「収入 − 経費」がマイナスの値になった場合は、雑所得は「0円」となります。つまり、雑所得には、赤字という概念はありません。

なので、当然、「マイナスの雑所得」と「他の所得」を相殺するなんてことはできません。

 


 

【編集後記】

たまに雑所得と雑収入を取り違えて作成した申告書をみかけたり、両者を取り違えてお話されていたりするケースに遭遇します。

確かに言葉として勘違いしやすいよなと思い、今回の記事を書いてみました。